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たれか聞くらん朝の声眠ねむりと夢を破りいで彩あやなす雲にうちのりてよろづの鳥に歌はれつ天のかなたにあらはれて東の空に光ありそこに時ときあり始はじめありそこに道あり力ありそこに色あり詞ことばありそこに声あり命ありそこに名ありとうたひつゝみそら...
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酔歌

旅と旅との君や我君と我とのなかなれば酔ふて袂たもとの歌草うたぐさを醒さめての君に見せばやな 若き命も過ぎぬ間まに楽しき春は老いやすし誰たが身にもてる宝たからぞや君くれなゐのかほばせは 君がまなこに涙あり君が眉には憂愁うれひあり堅かたく結べる...
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潮音

わきてながるゝやほじほのそこにいざよふうみの琴しらべもふかしもゝかはのよろづのなみをよびあつめときみちくればうらゝかにとほくきこゆるはるのしほのね
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おきぬ

みそらをかける猛鷲あらわしの人の処女をとめの身に落ちて花の姿に宿やどかれば風雨あらしに渇かわき雲に饑うゑ天翅あまかけるべき術すべをのみ願ふ心のなかれとて黒髪くろかみ長き吾身こそうまれながらの盲目めしひなれ みそらをかける猛鷲あらわしの人の処...
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強敵

一つの花に蝶ちょうと蜘蛛くも小蜘蛛は花を守まもり顔小蝶は花に酔ひ顔に舞へども/\すべぞなき 花は小蜘蛛のためならば小蝶の舞まひをいかにせむ花は小蝶のためならば小蜘蛛の糸をいかにせむ やがて一つの花散りて小蜘蛛はそこに眠れども羽翼つばさも軽き...